日本の祭りについて

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祇園祭神輿

 美しく勇ましい神輿。
 京都の夏は祇園祭一色。なかでの有名なので七月十七日におこなわれる山鉾巡行です。
 みごとな三十二基の山鉾は、まさしく動く美術館です。
 その山鉾巡行のあと、夕方に三基の神輿がハ坂神社を出発して、京都のまちを練ります。
これが神幸祭です。そして二十四日の還幸祭まで神輿は御旅所と呼ばれる処に泰安されます。
 神輿は神様の乗り物であり、祭の中心といわれます。私ども祭禮懸装品研究所は平成十年より三ケ年にわたってハ坂神社の三基の神輿の修復を手掛けました。担当は神輿内部にある御菌(祇園唐草の刺繍座布団のようなもの)と厚畳の新調です。
 ハ坂神社の祭神は、中御座 (牛頭天王 ごずてんのう 又の名を 素戔鳴尊 すさのおのみこと。神輿は六角形) 、東御座(櫛稲田姫命 くしいなだひめのみこと。神輿は四角型)、西御座(八柱御子神 やはしらのみこがみ。神輿は八角型)です。
 それぞれの御茵と厚畳は神輿の内部におさめるため、次の修復が来る日までは誰も目にすることはできません。
 それだけに確かな仕事が求められ、責任は重いですが、毎年の夏、神輿の美しさと勇ましさを目にするたびに最高の歓びと誇りで胸が熱くなります。

日本の祭り

 祭りは本来、神を祀ること、またはその儀式をいいます。
 一般的には、神社や寺院を主体として「五穀豊穣」「商売繁盛」「疫病退散」「無病息災」「家内安全」「安寧長寿」「夫婦円満」「子孫繁栄」「祖先崇拝」「天下泰平」など、招福祈願や厄除祈念、またそれらの成就に感謝しておこなわれます。
 それだけに、祭りの形式や形態もさまざまです。なかでも山車(地方によって呼び名が、山鉾、屋台、地車、楽車、花車など異なります。)が出る祭りは、その迫力と絢爛さが伝わってきます。その数は全国に約三千もあるといれれています。
 昔から神は、高い木に拠るという考えから、木を御神木にしてきました。
 これが標山といわれるもので、氏子が町内および在所を曳きまわす行事となり、移動神座となりました。
 これが山車のはじまりで、地域の町衆によって徐々に豪華な山車に姿をかえていきました。
 私ども祭禮懸装品研究所は、祭に使用される山車、屋台、鉾などに用いられる祭禮幕(水引幕・前掛幕・胴幕・見送幕)をはじめ、懸装品全般の復元、新調、修復を手掛けています。
 創業以来、京都・祇園祭の神輿(三若・四若・錦)滋賀・大津祭・大阪・岸和田だんじり祭、三重・上野天神祭・愛知・知立祭など、お手伝いさせていただいております。

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京都嵐山剣鉾牡丹鉾綴織幟新講一式